ウェブ講演会の座長をしました
つれもていこら
院長の片江です。
ウェブ講演会の座長をしました。
「腸内細菌叢を考慮した神経障害性疼痛治療」と題して、九州労災病院 勤労者骨・関節疾患治療研究センター センター長の今村寿宏先生にご講演いただきました。
当院と労災病院をつないでのウェブ配信のためあいさつもできずにいきなりスタートしました。
前半は、講演内容は、腸と脳はつながりがあり、自律神経は、腸の中ではセロトニンなどのホルモンの分泌を促し、脳にシグナルを送っている。このシステムを「腸脳相関」と呼び、わかってきたのは最近のことのようです。
我々医師は、臓器ごとにしか診てない。腸が悪いなら整腸剤、頭痛なら痛み止め。しかし、先生の講演を聴いて、腸に働きかけて脳に影響があり、脳に働きかけて腸に影響があるということは、新しい治療の選択肢があるのではということに気づきました。
後半は、整形外科医が非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)を漫然と使用することが多く、消化性潰瘍のリスクがある。さらに、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を併用しても、下部消化管出血のリスクが高くなるとのことで、驚きでした。
私も以前、「非ステロイド性消炎鎮痛剤長期服用による胃・十二指腸粘膜傷害と腎障害の発生状況調査」整形・災害外科61(11): 1403-1409, 2018で報告しました。
当院では、NSAIDsの長期処方はできるだけしないようにしていますが、NSAIDsを処方している方には、受診ごとに胃の痛みがないか問診し、定期的な採血で、腎機能、貧血がないかをチェックするようにしています。
今村先生の講演を聞いて、「脳腸相関」や「腸活」に興味を持ったので、今後も情報を発信していきたいと思います。
今村先生、講演ありがとうございました。